札幌市障害者協働事業に関する意見書について
- 札幌いちご会 事務局
- 6月20日
- 読了時間: 3分
永島 勝章(ながしま かつあき)
<いちご通信224号(2025年6月号)より抜粋>
障害のある人とない人が共に働くために、
札幌市が独自でおこなっている「障がい者協働事業」。
しかし、この事業について札幌市が2027年度末に廃止する方向で検討していることが、
2025年3月にわかりました。
以下は、令和7年4月8日に札幌市保健福祉局へ
提出した意見書です。
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札幌市障害者協働事業に関する意見書
令和7年4月8日
北海道新聞2025年3月6日付けのトップ記事
「障害者就労の独自支援廃止」について
意見を述べさせてもらいます。
私たち「共働事業所もじや(以下:もじや)」は
就労移行支援A型を経て、現在の事業に至っており、
札幌市障害者協働事業を使い障害があってもなくても
対等な関係で事業所の運営から日常の業務まで関わらせて頂いております。
私はもじやに勤めて16年になります。
もじやは就労移行支援A型の時代から
全スタッフが対等な立場で関わってきましたが、
対等な立場とは言っても障害者が利用料を払って、
表向きでは対等な立場とは言っても
就労移行支援A型というサービスの基で働かなくてはならず、
札幌市に対しての書類提出など
どうしても障害者と健常者の隔たりが出てくるのが現状です。
もじやが札幌市障害者協働事業を利用して大きく
変わったのは障害有無に関わらず事業を展開していけることです。
障害者が初めて対等な立場に立って
初めて率直な意見や考えを言い合える事により、
本当の障害者理解と逆に障害者側も対等に扱われてるという意識が高まってきます。
障がい者の意識の変化により、
積極的な電話応対やお客さんとの対等なやりとりの中で、
障害当事者の生活能力・自己決定の向上、
一番は障害当事者が主体となりますので、
主体性・社会性が身に付き自立生活への近道でもあると思います。
もじやでは私が最重度の障害ですが、
私の役割は「親元を離れて生活がしたい」と
ひとり暮らしの挑戦を手助けすることもあると思っております。
この協働事業を始まって10数年の中で実際に、
自立生活を始めた当事者も数人いますし、
一般就労をした人もいます。
協働事業の目的である
「障がいのある方もない方も対等な立場で、
ともに働ける新しい職場のかたちを進め、
障がいのある方の就労促進、社会的、経済的な自立を図ることを目的とした事業」
というように、
私たちの事業が札幌市障がい者協働事業にそった働き方だと思っております。
共働事業所もじや 永島 勝章
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以上の意見を
札幌市保健福祉局の方々とのモニタリングの際に、
個人的な意見書として読んで頂こうと提出をしましたが
歯切れの悪い回答だけで終わってしまった。
北海道新聞のトップ記事に「障害者就労の独自支援廃止」と掲載された1週間後に
秋元市長の記者会見で「時代に合った仕組み制度を考えていく必要がある」
と後継事業の導入を示して頂いたが、
いまだ3年後の今日は働いているのか?と不安は募るだけだ。

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