2023年講演会「虐待は無くならないのか?」(渡邊譲さん講演)
- 札幌いちご会 事務局
- 4月25日
- 読了時間: 4分
2023年11月18日、札幌市生涯学習支援センターちえりあ にて、
NPO法人札幌いちご会講演会「虐待は無くならないのか?」を開催しました。
講演してくださったのは、
土本秋夫(つちもと あきお)さん :ピープルファースト北海道、NPO法人共生舎理事
中野喜恵(なかの よしえ)さん :社会福祉法人はるにれの里
渡邊譲(わたなべ ゆずる)さん :株式会社ライズリング代表
の3名でした。
最後に渡邊譲さんの講演記事をご紹介します。
<いちご通信220号より抜粋>
赤ちゃんから高齢者まで
株式会社ライズリング 代表取締役 渡邊譲(わたなべ ゆずる)

2023年11月18日講演会 「虐待はなくならないのか」
●自己紹介
江別市で
「赤ちゃんから高齢者まで、病気や障害があっても、
誰もが慣れ親しんだ、自分が住みたい場所で生きていける、共に過ごせる居場所作り」
をしています。
その他、事業所の簡単な紹介・・・
●本題1 現在の虐待の現状
・北海道江差町の人権侵害事件
・北海道西興部村の、障害施設と高齢者施設での、虐待事件
・神奈川県中井やまゆり園の、虐待事件
・大阪府清陽会の、虐待事件
数を上げればキリがないほど虐待が行われている。
虐待の現状について。
●本題2 過去の自分の経験
昔、ある社会福祉法人で働いていた時の経験として話す。
女性職員が麻痺のある高齢者に対し、叩く、つねるなどの
虐待をおこなっていたことがある。
私はそのことを当時の施設長に報告したが、
帰ってきた言葉は「まあまあ、大事にしないで。
辞められたら、職員がいなくなるから、大変だから。」
という驚くべき言葉だった。
結局その虐待をしていた女性職員には、
なんの話もなくペナルティもなかったので、
虐待はそのまま無くならず続いていた。
そんな施設の対応に諦めずに言い続けたが
一向に変わらなかった。
その法人ではその他にも、
施設の祭りで飲酒していたバスのドライバーが、
そのまま送迎運転をしていたことも報告したが、
なんのお咎めもなしで終わった。
そんなことを言い続ける私は、
ただの面倒な職員だったのだろう。
退職する際に、その施設長に言われた言葉は
「あんたが辞めてくれてよかった」
という驚くべき言葉だった。
しかも笑いながらである。
社会福祉法人というものになにも期待をしなくなったので、
私はしばらく福祉から離れた。
●本題3 何故、虐待は無くならないのか
※トップのガバナンスに欠陥があることが、一番の理由ではないか!!
虐待事件の厚生労働省への報告を見ていると、
原因は、現場の虐待をした職員にあるとしている報告がほとんどだが、
私はそう思わない。
何故ならその報告を書いているのは、
法人の上層部だからである。
様々な虐待事件を見ていると、
理事長等のトップの想いが全く感じられない。
理事長・副理事長などトップが
虐待することや虐待事実の隠蔽をし、
「内部告発をした者を懲戒処分にする」
という理事長の通達などもある。
法人内にて、
理事長の想いが強く徹底して
利用者や当事者本位の運営をしている法人であれば、
虐待は起こりえないと思うのである。
また理事長や代表などの想いが強くても、
法人が巨大になりすぎると
その法人内での内部統制が効かなくなり、
虐待が行われているケースもある。
●結び
虐待は、何も産み出さないということ。
児童・障害者・高齢者への虐待から、目を離してはならないということ。
目を離さず、訴え続けなくてはならない。
「津久井やまゆり園」の45人殺傷事件でも、
元職員である植松は入所者への虐待を目のあたりにし、
「意思疎通がとれない障害者は、
生きていても社会に迷惑だから殺害しても良い」
という考えを持ち、精神が崩壊していったと考える。
あのような凄惨な事件からも、
目を離してはならないし、忘れてはならない。
虐待は、なにも産み出さない。
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